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日本語のなかの外来語 〜翻訳借入語&カタカナ〜 “calque”「翻訳借入語句」 “外来語=カタカナ”というイメージがありがちですが、外来語というのはいろいろな形をして日本語の中に入ってきています。外国語からの言葉が借用される方法として “calque”「翻訳借入語句」というものがあります。例えば「〜は言うまでもない」という “it goes without saying that~”は、フランス語の表現” ça va sans dire que...”を直訳して英語に借用された表現です。日本語にこのようにして入ってきた表現は、“vicious cycle ”「悪循環」や、「種の起源」で用いられた “the survival of the fittest” の訳「適者生存」などが英語からの “calque”として挙げられます。(関連記事 Etymology 〜History(歴史)の中にStory(物語)あり〜)“functional food” 「機能性食品」という表現は、逆に日本語の概念を紹介するために英訳されて、英語の仲間入りを果たしたものです。
カタカナ カタカナ表記の外来語は、“正しい英語の発音の習得を妨げるもの” として嫌われることはあっても、賞賛されることはまずないですよね。国際社会に対応する日本語の在り方(国語審議会答申) の 国際化に伴うその他の日本語の問題 で示されているように、「一般への定着が十分でなく,日本語に言い換えた方が分かりやすくなる語(例アカウンタビリティー⇒説明責任)」の場合は日本語を使うべきだと思いますが、それ以外のカタカナ外来語は日本語の中で大切な役割を担っているものもあると思います。
カタカナ表記の外来語の“出身地”を調べると日本と諸外国との関係が見えてくるようでおもしろいことが分かります。Bookshelf の「キーワード検索」を使ってカタカナ表記の語が何語から来ているのかまとめてみました。とりあえず、アルファベットだけの表記になっています。
ラーメンと一緒に思い浮かべる “チャルメラ” がポルトガル語というのは、なんか不思議な感じがします。それから「エネルギッシュ」「アイスバーン」という表現は、英語から入ったような響きがあるのですが、これがドイツ語から入っているというのも私には意外な事実でした。それからスキーの用語もドイツ語が多いんですね。どうしてなんでしょう? O-157のOにそんな意味が込められているとは知りませんでした。培養が云々、といったところで私には分かりませんが… (・・?
「カタカナ表記が英語の正しい発音の習得を妨げる!!」という主張も分かるのですが、それでは “英語” という言語はどうなんでしょう?オウエン・バーフィールドが「英語のなかの歴史」(中公文庫 渡部昇一=土家典生訳)で「英語とは『発音をひどくしたフランス語である』と、冗談めいて言われてきた。」と書いています。これは、1066年のノルマン・コンクエスト以降、フランス語が大量に英語に入ったことが一番大きな要因です。また、それ以降もギリシャ語、イタリア語などをはじめとして、かなりの数の言語が英語の語彙増大に貢献しています。このように他の言語から入ってきたものは、必ずといっていいほど“英語訛り”にされてとりこまれています。当然ながら、意味が変わってくるものもあります。
それでは、たとえばフランス語から英語に入ってきた“英語訛り仏語”は、英語の母国語話者がフランス語を勉強するときに“妨げ”にしかならないのでしょうか?確かに発音練習で苦労はすると思いますが、全く知らない言語を取得するよりかは、はるかに楽だと思います。それに今はやりの「通じればいいじゃないか」というコミュニケーション重視(?)の考え方なら、そんなに苦労しないのかもしれません。
日本では、テレビやゲームなどで最近使われている英語(カタカナも含め)が、かなり増えてきています。中学生の会話を聞いていて、そんな言葉を知っているのかと驚くことがあります。「カタカナ表記の外来語」を絶賛するつもりはありませんが、生徒の既知の情報と関連づけて英語を教えることは有効な手立てではないかと思うのです。英語教師としては、「カタカナはだめだ!!」と単に邪魔者扱いするまえに、功と罪の両面から「カタカナ」という存在を見ていきたいと思うのです。
関連参考サイト 外来語と日本文化 - 各国から伝わった言葉の由来、「てんぷら」の由来説、ゲームで覚える外来語等。 外来語の表記 - 外来語、カタカナ言葉の書き方に関する内閣告示。 国際社会に対応する日本語の在り方 - 外来語、外国語の増加問題にふれた2002年12月8日付の国語審議会答申。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||